麦雨の雑念
▼東京裁判のA級戦犯のひとたちが、連れ立ってホロコーストの博物館に出かける、という夢を見た。
みんなお揃いのヘルメット。誰が誰かわかるように名前が書いてある。
疲れてるんですかね。
▼東京都庭園美術館へ、「ロトチェンコ+ステパーノワ ロシア構成主義のまなざし」を見に行く。
ロシア構成主義を担った二人の業績を辿ったもので、絵画からポスター、デザイン、建築模型、写真、映像などさまざまなジャンルのものが展示されてました。
個人的には構成主義のポスターが好きだったので、そっちがたくさん見たかったのですが、量が少なめでちょっと残念。
2003年の川崎市民ミュージアムでの「ポスターのユートピア」はいい展示だったなあ。
ただ、構成主義デザインの麻雀牌、あれはちょっとグッときた。1925年のソビエト連邦にも麻雀はあったのね。
スターリン、トロツキー、ブハーリン、クルプスカヤの4人の麻雀なんてのはどうでしょう*1。画は当然大和田秀樹。
あと、東京都庭園美術館は朝香宮の邸宅をそのまま美術館にしたもので、そのためか、動線が錯綜している点もあり、全部展示物が見れたかちょっと自信がありません。
▼ワールドカップやってますね。
夜に見るにはちょうどよく、ちょこちょこ見てます。日本戦はやっぱり熱く見てます。
しかし、オシム元監督の語られかた(「もしオシムだったら…」)が、ナンシー関のそれと似ている気がするのはなぜだろう。
日韓ワールドカップのさなか(ロシア戦とチュジニア戦の間)に亡くなって、はや8年か。
惜別の雑念
▼twitterやBLOGの追悼文は、きっと誰かがまとめてくれるだろうから、
電気グルーヴの文章を。
2010年5月25日、僕たち電気グルーヴと一緒に音楽を奏でてくれた
KAGAMIが永眠されました。
ライブに於いては欠かせない存在としていくつものステージを共にした
僕たちは悲しく残念な気持ちで一杯です。すばらしい音とグルーヴをありがとう。
KAGAMI ゆっくり休んでください。
もうひとつ、小西康陽の文章を「READYMADE V.I.C.」のページから。KAGAMIのことをさしているわけではないのかもしれませんが。彼がプロデュースしている野本かりあの曲「東京は夜の七時」のリミックスをKAGAMIが手がけています。
去年の同じ月の同じパーティーで、バカラックとピチカート・ファイヴのレコードばかりをかけたことを思い出す。あれから一年経ったんだ。一年経って、まだ同じパーティーでみんなと会って、レコードをかけたりすることが出来る喜び。
ときどき、なんだか悲しくなるような現実と向き合わなくてはならないとき、若くして先に次のステージへ行ってしまった人のことを羨ましく思ったりする。みんな、オマエのことを思い出したり、懐かしがったりしているんだぜ。
でも、生きていなけりゃ出会えない人もいるし。生きていなけりゃ買えないレコードだってあるのだし。そう思って、なんとか今日を生きる。そしてパーティーに行って、みんなの笑顔を見たりするのです。
▼「ele-king」で彼のことを知り、最初に買ったのは「THE BROKEN SEQUENCER」。なんといっても思い出深いのは「Tokyo Disco Music All Night Long」で、「WIRE02」のライブでは、この曲が小出し小出しになって煽られたんだよなぁ。
アッパーでぶれないのがいいところで、ちょっと最近は離れていたところもあったのだけれども、アッパーになりたいときには最高の音楽でした。
どうか安らかに。
豪雨の雑念
▼「定吉七番」復活!!
角川文庫・講談社文庫全部揃えている身としては、読まずばなるまい。
▼ラッシャー木村死去。
事代センセー*1の「こんばんは、ラッシャー木村です」という一発ギャグを思い出した人はどのぐらいいたのだろうか。
▼いくら調べても詳細が出てこないのですが、昔(1980年代)、駄菓子屋でプロレスラーの名前が書かれた千社札みたいなマグネットがありましたよね。「テキサス・ブロンコ テリー・ファンク」とか「アラビアの怪人 ザ・シーク」みたいなキャッチフレーズがいっしょに書かれていたやつ。
それを二枚張り合わせて、それこそメンコみたいにプロレスごっこをした記憶があるのですが、あれは全国的なものだったのかな?
向暑の雑念
▼曜日感、とは去った休日と次に来る休日との距離感によって生まれるものである、と何も言っていないに等しい物言い。
▼桜庭一樹「お好みの本、入荷しました」を読む。
作家の日々の読書と生活と黒魔術、そして増え続ける着物。
ミステリをほとんど読まない人間にも面白そうな本がたくさん。文春文庫のアンソロジー「人間の情景」は探して読もう。*1
しかし、あれだけの読書家である桜庭さんが山本夏彦を知らなかった、というのはちと意外。まあ「週刊新潮」の連載が絶筆になったのが2002年だからねぇ。
ということで、ひさびさに名言集「何用あって月世界へ(asin:4167352176)」を取り出して読む。表題となったこの言葉もそうですが、「家に五票あり売ろうか」「人みな飾って言う」などの、短い言葉での表現がすごい。
▼井上ひさし、小林信彦といった人たちについてモヤモヤとしていることを書きたいのだが、まとまらない。キーパーソンになるのが山藤章二、というところまでは考えたのだが。
しかし、先週号の「週刊朝日」での「ブラックアングル」のサッカー日本代表の似顔絵のひどさ(ヘタウマ、としても)といったら、ねぇ。
春雨の雑念
▼「織田信成、できちゃった結婚」というニュースを耳にして、思わず頭に浮かんだのが池上遼一の漫画「信長」。
- 作者: 工藤かずや,池上遼一
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2004/01/23
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 63回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
池上タッチで書かれた(全裸の)信成。
▼「フリースタイル」11号の特集は呉智英、いしかわじゅん、村上知彦の3人による「日本マンガ全集」編集会議。
戦前漫画から20世紀に至る漫画の歴史を全100巻でまとめるとしたら、という架空の全集についての座談会です。
まあこれが興味深い。どの漫画家をピックアップして、どの作品を選ぶか、そしてどの漫画家を1冊にまとめるか(西岸良平とはるき悦巳、矢口高雄と水島新司!)というディテールが面白い(元ネタの「文学全集をたちあげる(asin:4163684204)」も面白かったです)。梶原一騎集と小池一夫集はぜひ読んでみたい。
座談会は80年代まで来たところで終了。暫定で選ばれたのが83巻。あと17巻で残り10年をまとめるというのはどう考えても無理だとは思いますが…。(まだ鳥山明も高橋留美子もあだち充も吉田秋生も岡崎京子も選ばれてないのだ。柳沢きみおとか弘兼憲史とかの扱いはどうなるのだろうか)
次回に続く、ということらしいが、何とか単行本にまとめてほしいなあ。
それがこの世代による漫画評論の総決算、のひとつになるんじゃないかなぁ、と思うのですが。