なかやまきんにクン(20)

横浜にぎわい座まで「三遊亭楽太郎一門会」を見に行ってきました。

オールナイトニッポン伊集院光が登場した1989年、「オペラ歌手」という自己紹介に何の保留もなく「ああ、そうなんだ」と信じていた。今思えば、当時のオールナイトニッポン2部がカオスのような場所だったとはいえ、いくら何でもオペラ歌手は無いだろう。
そんな伊集院が「三遊亭楽大」という名前を持っていた落語家であったことを知ったのは「TV Bros」の中のテレビ辞典だから1991年ごろ。「Oh!デカナイト」が既に始まっている。その時にはもう落語家は廃業していたことになる。
そして、いわば「公然の秘密」になっていた過去を本人が初めてカミングアウトしたのは超能力を持ったアメリカ人ロン・バードを呼び、伊集院の過去を調べるというもの。過去を読まれて仕方なく白状をするというスタイルではあったものの、実際にはカミングアウトしたくてたまらなかったのではないだろうか。今ではテレビなどでの落語家時代はフリートークのネタになっている。
Oh!デカナイト」→「深夜の馬鹿力」と2度楽太郎と伊集院は邂逅しているものの、緊張感のみが前に出る放送で「やっぱり師匠なんだなあ」「過去にいろいろあったんだろうなあ」と推測させてしまう内容だった。
そんな伊集院が元・師匠の要請で一門会に出るという。そりゃあ見てえさ。

内容。前からネットでは「伊集院目当てで行くと高座の雰囲気が壊すのでは」という意見も多く出ており、不安半分で見に行ったのですが、お客さんは平日の昼間ということもあってか、ご老人とか主婦が中心でした。伊集院のはなし「思い出の落語家時代」も、高座に合わせた修行ネタトークの集大成といったところ。なかむら治彦さんの落語日記に書かれていた「いやぁ……なんだろ。この気持ち。安堵感。積年の肩の荷がおりた気分。ただの一ファンなのになぁ。」という一文で私の感想と変えさせていただきます。
そして、最後の楽太郎「お血脈」。すごかった。話の筋はある程度知っていたものの、そんなもの関係ない。脇にそれて放つ駄洒落とギャグと雑学のスピード。ドライブさせられた、という感じ。もっとライブ見たいなあ。